第1回 5段階に序列された人間の欲求

今月から福嶋幸太郎先生の経営学コラムを載せていきます。興味深い記事がたくさんあると思いますので、ぜひ、読みに来てください!

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マズローの欲求段階説

はじめまして。福嶋幸太郎と申します。(株)ネクティブ代表者の小杉裕さんとは、かつてネット事業で御一緒に仕事をしていました。

2006年12月には、日本初のオンラインストレージ「宅ふぁいる便」で、Yahoo! Web of the yearを受賞したこともあります。

私は38年間ビジネスマンを経験し、現在は大学教員をしています。芸術文化観光専門職大学(兵庫県豊岡市)では会計学・起業論を担当していますが、かつて他大学では経営学の授業も担当いたしました。

そこで、中小企業経営者の皆様にご参考になる、経営学の事例や理論などを分かりやすく面白く学べるよう、「ふくたろうの経営学教室」を担当させていただきます。どうか、よろしくお願いいたします。

 

マズローの欲求段階説とは?

第1回目は「マズローの欲求段階説」について学びます。米国の心理学者、アブラハム・マズロー(1908~1970)は、人間の欲求は5段階のピラミッドのように序列的に構成され、低次の欲求が満たされる度に、もう1つ上の高次の欲求を持つという理論です。

マズローは、生理的欲求・安全の欲求・社会的欲求・尊厳欲求の4つの欲求を、精神的・肉体的に欠乏状態が生じて、これを満たそうとする欠乏動機が順番に働いているからだと説明します。

 そして、人間の最も高次元の欲求は、自分らしく生きたい、自分の世界観や人生観に基づいて、自分の信じる目標に向かって自分を高めていきたいとする欲求、これが「自己実現の欲求」であると説明します。

 例えば、皆さんが災害に遭遇した場合、睡眠や食事が与えられて生理的欲求が満たされると、仮設住宅など外部から身を守る物理的な空間となる安全の欲求を求めます。これが満たされると、仲間を求めて社会の一員であることを認めてもらいたいという社会的欲求が生じます。そして、次は仲間から認められたいという尊厳欲求が生じます。そして、最後には、人間にしかない自己実現の欲求が生じます。

読者の皆さんにとっての自己実現は、どのようなものでしょうか?案外、小学生時代の夢として、作文に書いた将来の夢かもしれませんね。

マズローと経営学とのつながりを学ぶ

では、経営学の領域で心理学のマズローの欲求段階説が、なぜ関係してくるのでしょうか?次回は、その理由について学んでまいります。

福嶋幸太郎 ふくしま こうたろう

1959年大阪市生まれ。大阪ガス(株)経理業務部長、大阪ガスファイナンス(株)社長を経て、芸術文化観光専門職大学教授(現任)、経済学博士(京都大学)、趣味は家庭菜園・山歩き・温泉巡り。